地域プロデュース観
プロデューサーとして、地方創生に取り組むことがある。
僕のプロデューサー規範は庵さん。とある村の民宿再生プロジェクトを3年間ご一緒する中でプロデューサーとしての在り方を学ばせてもらった。
- アウトサイダーとして、地域のお化け退治をすること。
- プロジェクトの完遂後に、地域主体者が食っていける月収を生み出すこと。
- 地域に実存する価値をキュレーションし、同時代性のある問いに昇華させること。
- 自分なりの答えを持った上で、創発が起きる余白を許容し、プレイヤーを泳がすこと。
今、ふりかえっても珠玉な視点ばかりだ。
アウトサイダーとして、地域のお化け退治をすること。
地域には、何かしらの事案によって、貸借、悲劇、喜劇などが発生し、〇〇さんはこうだ!とか、ここはこうだ!というような地縛霊のような決め付けが溢れている。それらに対し、よそ者として知らずにやっちゃいましたー的なノリで、人口動態に基づく王道の脚本をもって、成仏させていく機能が求められる。アウトサイダーが入ることで膠着がほどけて面白い風が入ることが多々あるよね。
五郎兵衛新田。どれだけの汗と涙が注ぎ込んだのだろうか。
プロジェクトの完遂後に、地域主体者が食っていける月収を生み出すこと。
プロジェクトには、納期がある。3~5年程度のアウトカムの集積が、食っていけるエコシステム(ビジネスかもしれないし、指定管理かもしれないし、地域複業かもしれない)につながるように、企画設計を行うべし。地域主体者と出会い、協働し、パートナーとして組まねば、自律自走には至らない。
バトンタッチしたワークテラス佐久の朝
地域に実存する価値をキュレーションし、同時代性のある問いに昇華させること。
主体者の命が宿っている製品やサービスが地域にはある。その主体者と協働する中で、同時代性の視座で価値を再発見し、ハッとさせる問いを込めて、アウトカムを生み出す機能が求められる。プロデューサーは、詐欺師と紙一重だからこぞ、言動一致した実体経済こそが、信頼を勝ち得る。
ジン”YOHAKHU”開発チーム。ヒット商品になったぞ。
自分なりの答えを持った上で、創発が起きる余白を許容し、プレイヤーを泳がすこと。
地域の生活圏に暮らす有志が内発的動機と関連づいた運動を行いたくなるような舞台装置を建造する。そのうえで、域外の行き交う人との協働事例を一つ一つ生み出した上で、地域内外のプレイヤーの遊泳を見守っていく。linuxの開発プロセスのように、様々な視点を受け入れながらも、深いレイヤーの世界観はぶらさずに、舞台の上のヒーロー・ヒロインにスポットライトを当てる。
修験道の道端。赤い実へのスポットライト
上記、4点を大切にしながら、みなかみ町、佐久市、下仁田町、高崎市、小海町、南砺市、熱海市などでプロデューサーとして仕事をした。
すべてがうまくいくわけではないけど、うまくいこともある。翻って、3について、自らがプレイヤーとしてMOOSKA DE STUBENに取り組んでいるので、もっと問いを磨いていこうと思った。実践の中で、発見し、学び、更なる成長と解脱をしていきたい。